お金と仲良く付き合っていける人生を目指して
私の生育家庭は、財布の紐が異常に硬く、悪く言えばケチ、よく言えば堅実的だった。
私はどちらかというと物欲が強かった(うちの家族の中では)ので、物を買ってもらえないことが不満だった。
学校で使うものは、基本的に兄のお下がり。
新しいものは滅多に買ってもらえなかった。
思春期になり、ファッションに興味を持つようになった。
中学校2年生くらいから、高校・大学では、とにかく服が好き。
ファッション誌を読み漁り、楽しみは買い物。中学・高校では、バイトはしていなかったから、親に服を買ってもらっていたけど、滅多に買ってもらえない。
ものすごくストレスだったことを覚えている。
「大人になってから自分のお金で好きなもの着たらいいやん」と言われていたけれど、
このデザインのこの服が着れるのは今しかないのに!どうしても今着たいのに!お金を借りてでも今欲しい!と強く思ってた。
社会人になって、自由にお金を使えるようになった。
元々、堅実な家庭で育ってきたから、貯金せずにバカスカ使うことはしなかったけど、
欲しいものは買ったし、自己投資と思ってやりたいことにもお金を使ってきた。
毎月お金が入ってくるので、お金が足りない、ということはなかった。
お金に対する不安も不満もなかったけど、とりあえずコツコツ貯金はしておこうと思ってた。
結婚資金・老後資金・何かやりたいと思った時の足しになる資金、という名目。
私の父は、お金に苦労して育ったので、とにかくお金が大事で、できるだけ使わない主義。
物を買うときは基本は中古。同じものをどれだけ安く買うかを常に考える。
私が大学生になってバイトをしていたら、「今の貴重な時間を時給何百円に変えてお金を稼ぐくらいなら、勉強して、将来たくさん稼げるようになれ」と言われた。
とにかくケチな父だけど、子どもの教育にはお金は惜しまなかった。
私は4年制大学を出た後、調理の専門学校に行きたいと言った時も、反対もせずに資金を出してくれた。
その点については本当に感謝してる。
母は、専業主婦なので、お金に関しては基本的に父の方針に従う。母はケチというよりも、必要以上にモノがいらない性質で、今あるものでどう豊かに暮らすかを大切にしていた。
モノだけでなく、水・ガス・電気などについても、有限な資源を大切に使っていた。
なるべく使わないように、水は汚さないように。
この母のもとで育ったので、飲食でバイトをしていた時は、汚れた皿をポイポイ水の中に放り込んでいく様子を見ていると本当に辛かったし、なるべくいらない紙で綺麗に拭いてから洗おうとしていたが、時間の無駄だと怒られた。
こんなことで心を痛めていると、自分が辛かったので嫌だったが、こういう感性って大切だなとも思う。
自分が育った家庭の金銭感覚って、自分の金銭感覚のベースになるし、なかなか変えられるものではないと思う。
私はお金を使わないようにする家庭で、「お金があれば・・・」と常々思いながら育ったので、自分が創る家庭では、お金に価値基準をおいて物事を判断するようなことを子どもにはさせたくないと思う。
お金は単なる媒介物であって、それ自体はただの紙切れ。
大切なのは人との信頼関係で、お金に振り回されて、人を大切にできないような人にはなってほしくない。
でも、だからといって、お金について無頓着ではだめ。お金のことをちゃんと学んだ上で、お金と付き合っていけるようになってほしいし、そのためには自分がまずお金のことを知らなければならない。
漠然とした不安で貯金するのではなく、しっかりと情勢を知り、世の中がどうなっていくか、お金がどうなっていくか、きちんと考えた上でお金と付き合っていかなきゃならない。
今年2022年の4月から、高校の家庭科で投資信託の授業が始まることとなる。
世の中は確実に変わっているし変わっていく。
自分の親世代のお金の持ち方では、今後は通用しない。
とにかく、自分自身がもっと勉強しないと、、、!